『東大寺とは、一体、何のことですかね』
あえかに儚くたゆたい消える言葉では近づけず、けれどそこにあるもの
残るのは切なさ
今は 無い …という記憶!
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─(おまけ)
香は、かぐとは言わしまへん 「聞く」というでおじゃる
見たり聞いたり食べたり飲んだり 人の楽しみには事欠きませぬ
けど 香りを聞くということほど 雅なものはおじゃりませぬ
香りというものは奥深きもの
芳しい香りを聞くと 頭の後ろの方で
いろんな風景や 色 光
あるいは万葉の風景が浮かぶのでおじゃる
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このページの1行目は『名台詞』シリーズ 各話代表セリフをピックアップ
2行目は 薬売りの口上シリーズ …です よ
2分で読めるあらすじは、ものすごいネタバレです
「解」とは?…個人的解釈でーす ご参考ていどに
よもやま話は「さばさば」記事と被ってます
たまに新奇ページできたら更新履歴にてお知らせします
※口上・あらすじは隠し行になっています。クリックしても何も起きない時は、アクティブコンテンツを許可してください。読めない時は、諦めてください。読めてしまったら、ごめんなさい。
STAFF
監督…中村健治▼
キャラクター設定・総作監…橋本敬史
▼音楽…高梨康治▼美術…倉橋 隆・保坂有美▼
色彩…永井留美子▼音響…長崎行男▼CG…森田信廣
各話クレジット■脚本 小中千昭
前編…絵コンテ 山崎浩司■演出 山崎浩司■作監 石橋恵治、窪 秀己
後編…絵コンテ 山崎浩司■演出 山崎浩司■作監 草間英興、工原しげき、羽山賢二、石原恵治
CAST
櫻井孝宏(薬売り)
青野武(大澤蘆房 おおさわろぼう) 広瀬正志(半井淡澄 なからいたんすい)
内田直哉(実尊寺惟勢 じっそんじこれなり) 竹本英史(退魔の剣、室町具慶 むろまちともよし)
山崎和佳奈(瑠璃姫) 小林由利(老いた尼僧) 鎌田梢(少女)
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2分で読める「鵺」
▼以下ネタバレ
ある雪の夜。薬売りは、京の一角にある笛小路家の館で、聞香の席に加わる。
参加者は、香道(香りを聞く=嗅ぐ作法)に通じた公家衆。野心ある市井の名士。御所勤めの侍。と、身分も様々な男たち。
香を当てあう「組香勝負」に勝ち残った者は、由緒ある香道流派の当主となれる。そういうふれこみであった。
ところが香会が進むうち、事態は猟奇事件の様相を帯びる。
まず参加者の一人が死体で見つかった。ついで主催の笛小路家後継・瑠璃姫が、人々の目前で首をはねられた。
屋敷には聞香の参加者の他、非力な女人たちしかいないという。薬売りはモノノ怪の気配を捉えていた。
瑠璃姫らの死で、人ならざるものの威力が顕わになったにもかかわらず、参加者はいっこうに勝負をやめようとしない。恐怖すらも権力欲のまえには屈するのか。男たちの奇妙なふるまいの影に、「東大寺」なる謎めいた存在を薬売りはみる。
「東大寺」とはまさしくモノノ怪の正体だった。男たちが追い求めていたものは地位でも名誉でも姫でもなく、天下を取るという魔力をまとった「東大寺」そのもの。しかしそれは<鵺>がつくりあげた幻の宝であったのだ。
<鵺>によって封じられた記憶を薬売りは暴き出し、記憶を取り戻した参加者が次々と消えてゆく。彼らこそかつて<鵺>にとり殺された男たちの影、死んでなお執念だけが延々とくすぶり続ける亡者だった。
男たちの妄執を糧として永らえてきた<鵺>も、薬売りの剣に煙と化す。あとには朽ちた木の残り香が空薫となって辺りを漂うのみだった。
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